NOW 500→1000

不忘念

朝の太陽が額をなでる

わあっと身体の芯まで届く明るさに夢中になる

言葉にしてしまえば抜け落ちてしまう

感覚はもっと広々として密度が濃くて匂いがするうえに肌触りがある

特別な音の響きがそこにはあり、振り返ったらもうそこには何もない

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もしもの話なんてないから

去年見送った大好きなひとたちや別れは元に戻らず

まだあの頃の記憶をたたえてる細胞がそわそわと寂しがることを笑う

わたしたちはわたしたちとしては生きられず

ひとりずつ立派に歩いていく

ずっと祈ってるよという声を聞きながら

もうなにも重ならないんだなとうんと大切に気持ちを抱きしめた 

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血のつながりのなかにどっぷりと浸るような年末年始

食べて飲んでマッサージをしあって

動物のちいさな群れのように互いを慈しむ時間を味わう

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恋愛の先に家族があるなんて幻想だと

いいこともわるいこともくっちゃくちゃになった関係を笑う

血のつながりがあってもなくても

同じようにご飯を食べたら同じような重たさの

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もう26と思っていたのに

あたたかくなる頃には27になる

数字なんてただの記号でしょう

わかっているのに心がさわぐ

わたしには2022がとても特別

気配がするのだ、ゾクゾクと

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なにが起きるかではなくて

そこにわたしがいて新しい景色がそこにある

そこには今のわたしとはちがうわたしがスタンバイしていて

それはシンデレラ症候群のそれとはまったく違う

質感の伴った予感のようなもの

初詣で駆け上がった坂道の先大きな木が身震いするかのように揺れ

しばらくの間わたしのことを眺めていた

お互いの間には風が揺らした太い音だけが鳴り

わたしは

わたしは少しだけゆっくりと呼吸をして

今年が終わるとき

まわりのひとをもっとうんと幸せにすると誓うのだった

それは所有とも契約とも違う

柔らかで確かなひとつの予感のようなもの

わたしはわたしが感じることでできていて

わたしはわたしの選ぶことにより成っている

お墓参りをしたときに「不忘念」と入口に飾られてるのを見たよ

遺伝子の螺旋の真ん中に揺れている

過去も未来もすっとのびていく

わたしたちその真ん中にいる

もっともっとのびのびと生きること、きっとできる

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ね!