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満ち満ち

大好きなお店、新しい装飾を取り付ける作業をするのを下から眺めながら「顔が見たかった」の一言でとても嬉しくなる。

絶妙な言葉だと思う。「会いたかった」ではなんだか重たさが加わるし、かといって「ちらりちらりと思い浮かんでいた」というのもくすぐったい。

「顔が見たかった」にはそれ以上もそれ以下もなくて、とてもいい言葉だと思う。最近立て続けにひとから言われて嬉しかった言葉だったのもあり胸にあたたかくのこった。

かといってもうその言葉のちょうどよさを知ってしまった手前、そこまでの計算が含まれるようでわたしには使えないのだけれど。

お話をしているとぐらぐらわたしが揺れる。「好きでその働き方をしているんだと思っていた」一言一言にわたしが揺れる。揺れながら中心を感じていく。

満月だから満ち満ちているのどこかめまいを感じながらその日の朝に感じたばかりのことをゆっくりゆっくり言葉へと形を変えて相手に届ける。相手に届けながらその言葉をわたしは内側で響かせている。

もっと生きていることを感じながら働きたい、ひとつひとつのことに追いかけられてそれを返すのに必死になって気付いたらなんだか疲弊していた。

「なんだか疲れてるんじゃない?」鍵が閉まっている扉をわざわざ開けて出迎えてくれたひとが言う。

ゆっくり映画をみる時間もとれないなんて、という言葉が胸にひっかかっていたのか、夜には同居人たちと久しぶりに映画を見た。とてもたのしくて、胸がすっとした。

この町で働けてよかったと思った満月の日。

とてもハッピーだった。

まだまだ始まったばかり、一生のなかで働いている時間のほうがずっと短い。まだまだ始まったばかり、わからなくて当たり前。

ゆっくり、だけれどもしっかり見つけて身につけて進んでいきたいなと思う日だった。

薄皮一枚繋がっている日々で、やっぱりどこかそれが切れてしまうことへ怯えているところがあって、わたしはそういうわたしのなかの不安定さと向き合うのが本当に嫌で。

しかし、いつかは向き合わないといけないし、それは今年のうちに終わらせたいなとなんとなく思う。

毎日毎日ちょっとずつだけどその作業をしていて、それはとても苦しいけど幼い頃のじぶんが一回一回のそれで楽になるので、良い禊。

言いたいことを言う、言いたくないことは言わない。やりたいことをやる、やりたくないことをやめる。その選択ひとつひとつで胸がひらいていく。

ゆっくりでいいよとじぶんと話す。どんなに置いてかれた気分になろうと、いつまでもそばにいるよとじぶんと話す。

おばあちゃんまで付き合ってあげようと、変な風だけど、思ってる。

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顔が見たかったって、わたしも思うひとたくさんいる。いつも心配してくれてありがとうとよく思う。家族はつくれる、じぶんが拗ねなかったら。