読んだ。
ホリエさんの本は今まで2冊くらい読んだことがあったけれど、どの本よりこれは読んでよかったと思った。
特に受け取ったのは3つ。
1. モノを持つ=余白が減る
2. モノを捨てる=価値観の意図的な再構成
3. 時間が最も重要な資産である
特に3番目はいろんなひとが言ってるのを聞きながらも今まであんまり理解しきれなかったったところが、この一冊でやっと腑に落ちた。
モノを持つ=余白が減る
モノを持つにも種類があるのだと本のなかではホリエさんの人生に沿って時系列で何を得て何を捨ててきたのかが紹介されていく。
それぞれのエピソードを通して、この本は絶えずある質問を読者に投げかける。
あなたはあなたの必要なものがわかっていますか?
ー序章より
構成はとても親切だ。
そもそもモノを持つという行為が意味するところ、モノを捨てる過程に起きる変化、その後のアクションの変容について。
モノを持てばもつほど動きのスピードは遅くなり、モノに付帯する情報や記憶は思考のスピードも落としていく。
軽やかに選択を繰り返し人生をよりたのしむために「本当に必要なもの」を持ち、不必要なものは捨てるべきだと、本書はいう。
それぞれのエピソードで説明されるモノを持つor捨てる選択基準は、あくまで堀江貴文のもので、読者はそこを一致させる必要はない。
とはいえ、読みながらわたしはまだここまで意図的にじぶんを生ききれていないなとじぶんの基準の甘さから思ったよ。
そして、モノを持つことの最も大きな影響は余白が減ること、これはポジティブでもネガティブでもなく、ただそれだけのことだと受け取った。
でも、ああ一旦ぜんぶ棚卸ししようって、目に見えるモノ目に見えないモノ、どちらに対しても思った。
モノを捨てる=価値観の意図的な再構成
なによりも「捨てる」という行動に至る前の、その直前までに行われる意識の動きが興味深い。
たとえば断捨離ブームのきっかけになった近藤真理子著「人生がときめく片づけの魔法」ではその基準はトキメキだった。
トキメクならのこす、トキメカナイなら捨てるというとてもシンプルなルール。世界中でブームになるくらいシンプルだけど意味深い感覚「トキメキ」。
ホリエさんの書いている内容はそれをさらに深掘りして、ジェネレーションや社会で生きるなかで後天的に身につけた習慣やモラルから「いかに捨てにくくなっているか」を説明してくれる。
特に家族や離婚経験について語る箇所は最高だった。
時間が最も重要な資産である
これらの「捨て」はすべて、「わたしがわたしとして生きる」ために必要だから行うアクション。
削ぎ落として削ぎ落としてのこるものは時間なのだと本には書かれていた。
それは、より生産的に生きよ!ということでも、周りに置いてかれるぞ!ということでもなく、「せっかく生まれてきたんだからさ」というようなメッセージに聞こえた。
せっかく生まれたんだから、あなたの人生を生きようよ。
それが一番生産性たかいよ。
不安や思い出に心や頭をいっぱいにしないで、やってみたいことやりなよ、喜ばせたいひとを喜ばせなよ。
そんなメッセージが詰まった一冊だと、わたしは思った。
読んでよかった!