NOW 500→1000

雨の日の朝のこと

雨、雨、雨。

10000年かけて落ちてきた滴が、また10000年かけて天に昇っていく。

雨。

ここ最近はずっとお日様に起こされていたので、雷鳴にびっくりして目を開けて、さらに驚いた。

空も、ベランダも、部屋の中もみんな灰色だったからだ。

美しい灰色と美しくない灰色があるけれど、今朝のそれは美しいほうのそれだった。

雨の日も雨の日なりのきれいがある。

雨の日独特の湿気、髪がふわふわとまとまらない様子、お風呂場までもがなんだかいつもと違う雰囲気で、身支度をしながら心がそわそわするのを感じていた。

わたしの朝は、毎朝「なにを着たい?」「なにを食べたい?」というじぶんとの会話から始まる。

今日は昨日から決めて準備していた白いのと青いズボン履こうと、そういえばベランダに干したんだったと慌てて取り込みに走る。

同居人のぽんの洗濯物もついでに取り込む。

ギリギリセーフ。

バスの時間を確かめてからシャワーを浴びる。今日は洋次郎にしよう、そう決めて「ひーまーじゃないんだよー」と歌いながら髪を洗った。

とってもリスペクトしてる大学の教授が洗濯物は塩で洗い、石鹸はほとんど使わないということを教えてくれて、影響されやすい性質というかなんというか、シャンプーを使うのは週に一度くらいになった。

気分でオイルをつけるのだけど、今日はつけすぎちゃって髪がベタベタする。いい加減というのは何事もむずかしい。

いい加減。

いい加減にしないと、と思うことがわたしにはいくつもある。脱ぎ散らかした洗濯物、食べかけのタコライス。

同居人の堪忍袋の尾が切れる前には片付けようと、目を半分つむって玄関へ。

雨だと水が跳ねるんだよなぁ、お気に入りの島ぞうりはしまって、金色のギョサンに足を滑り込ませる。

傘、傘、口に出しながら傘を選ぶ。赤いのかビニールか。迷った末のビニール。赤いのは少し小さいから。

車が来たら水がかかるから厳戒な警戒態勢をとりながら歩く。

雨は強くなったり弱くなったり、そのリズムが傘から透けて見えるのがたのしい。

ビニール傘を選んでよかったなとにんまり。

横断歩道の待ち時間がながい。歩行者の人権ないよなーと口を尖らせながら待つ。

「沖縄じゃ足がないと大変だよね」

最近立て続けにみんなに言われるなぁと思いながら、ううむと考える。

実のところ、わたしはあんまり大変だと思ってない。

バスに乗ると、いろんなひとが町に生きてることを知ってなんだか安心する。

どこも悪いところがないように見えるのに毎朝病院で降りるげんきなおばあちゃん、小さい子とふたりで乗り込んで窓の外からパトカーを探すお父さん、手持ちの扇風機でだるそうに顔に風をあてる高校生の女の子。

みんなが暮らして世の中ってできてるんだと忘れずにいられるからバスに乗るのが好きなのだと思う。

それに、バスだって知ってる人が送ってくれるのもいいところだ。

車のなかでしかできない話が意外とある。
うたったり話したり、笑ったり、ぼーっとしたり。

助手席ってとっても好きだって、昨日の夜も思ったよ。

、、、でも、今日みたいな雨の日で、しかも同居人は多忙、タクシーに乗るほど焦ってもないってなるときは話は別。

あ〜、車買おうかしらー。

だなんて、迷ってもないのに口からため息と一緒に独り言が出るね。

あ、バスが来た。

ドラムのレッスン、間に合うかな。
スティック忘れてしまったけど、怒られるかな。

24歳になっても新しいこと始められるのね。

何歳になっても、その日が一番若くて、その次の日はその日にち分だけ歳を重ねているんだね。

10年後の34歳のとき、わたしなに考えて生きてるんだろう。

想像もできないや。

今日はどんな日になるかな。
なるべくたのしもう。

おしまい!

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