ひんやり、やわらかい触り心地。
緊張した瞬間。
嬉しかった瞬間。
悔しくて泣いた瞬間。
感触とともに思い出す。
よろこび、くるしさ。
かなしみ、たのしさ。
ぜんぶがこの触り心地に、ぎゅっと詰まっている。
たのしいことだけではなかったけれど、苦しいことだけでもなかった。
一年半ぶりに会った後輩たちは、少年ではなく青年になっていて、身体も顔つきも変わっていた。
わたしは、ここで大人になる準備をさせてもらって、ここを離れて大人になった。
もう大人になってしまったわたしに、まだ先生は「あなたならできます」と言ってくださるだろうか。
もう、言ってくださらないだろうか。
四年間通い、一年半離れた体育館でみた景色は、四月のはじめというのもあって、なんだかタイムスリップ。
一年生のあの瞬間、わたしはこのぐるぐる回るふしぎなものに、それを乗りこなす先輩たちに夢中になった。
もう一度、もう一度。
あのときできなかったことを今年はしたい。
一歩踏み出せたじぶんに拍手。
movement超えの感動を。