何者でもない自分に戻る。
大切な答えは、すべて身体の中にある。
少しだけ、少しだけ肩の力を抜く。
ゆっくりと呼吸を整え、中央に心を抱く。
ひとつひとつの点を丁寧に打つ。
それらが絵として見える距離まで離れていく。
一見腹立たしさを誘う出来事さえ、点でしかない。
その点も、絵になってしまえば穏やかなもの。
信用は、社会的なもの。
静かにそこにあり、一律的、画一的、波立たない。
信頼は、個人的なもの。
あたたかく寄り添い、どんなときも助けてくれる。
だんだんと時代が変わる音がする。
世代のコントラストをただ感じていく。
そのグラデーションはわたしを通り抜け子どもたちへ。
世代ごとに抱える課題が異なるのは、
互いの持つ異なる知識を撚り合わせ、解決するため。
まっすぐに子どもたちを愛し、尊敬する。
同じように、ここまでの繋がりに深く感謝をする。
へそにそっと手を合わせ、その連なりに心を寄せる。
今わからないことは、今わからなくていいこと。
変わりたくないのなら、変わらなくていい。
今わかることは、今必要だから理解できること。
それらを学びに変え、血肉にし、日を新たに生き直す。
必要のないしがらみに縛られ、足をとられる。
前へ進めずに、ぐるぐると同じ景色を繰り返す。
その道程のなかで忘れてしまわないで。
とらわれは多くの場合とても無意味。
誰かの念、誰かの考え事、誰かの悩み、誰かの価値観。
他者に人生を明け渡してはいけない。
まっすぐにじぶんを生きることを試みる。
心の奥底から湧くものだけが生きる時間を彩っていく。
眠りにつく前、じぶんとゆっくりと対話をする。
今日起きた出来事が今日起きた意味を知る。
今日もよく生きた、力の抜けた身体を撫でて。
もし、人間を選んで生まれてきたのなら。
きっとこの身体に意味がある。
もし、父と母とを選んで生まれてきたのなら。
きっとこの道のりにも意味がある。
もし、あなたに出会うと決め生まれてきたのなら。
この出会いから学ぶべきことがある。
喉がひどく痛む。
神さまにお願いをする。
あと少しだけ勇氣をわけてくださいと。
もう少しだけ、わたしの生き方を見つめさせてくださいと。
神さまが笑う。
どのように生きるかは既にあなたの自由だと。
生きているだけで役目はすでに果たしているのだから。
喉の痛みを感じきる頃には、
今あなたの抱えていることはどれも軽くなっているからと。
今わからないことは、これからわかる。
そこに明日を生きる意味がある。
日が沈み、また昇る。
十月十日の日々のなか、自然に抱かれ歩んでいく。
人間として生きる意味をこの手を通して知っていく。
何も知らないはずのあなたから頼りが届く。
「人生とは、できることに集中することであり、できないことを悔やむことではない」
「足元ではなく、星を見上げよ、好奇心を抱け」
「いかに困難な人生でも、必ず達成できることがある」
その一文にどれだけ心を洗われただろう。
わたしに届くたくさんの愛が、
わたしを通り抜けることでより力を増し、
大勢のひとに届きますように。
わたしを愛す心の優しいひとたちが、
明日も明後日も健やかに生きられますように。
そのひとたちの優しさを豊かさに繋げられますように。
誰かがわたしのことを祈ってくれるのと同じように、
眠る前にわたしも祈っている。
多くのことがより単純になり、より純粋さを増す。
力強く輝く光が必要のない殻を壊し、この星を豊かにする。
もっともっとシンプルに、もっともっとまっすぐに。
繰り返し今日の出来事を細分化し、分析を深める。
こんなことで疲弊するようなわたしではない。
きゅっとくちびるに力をいれて、頭をあげる。
ただ生きる。
この営みの尊さのうえ、まっとうな創造を。
できないことなどなにもない。
ただ一点の未来に向けて歩みを止める必要もない。
進む。
道標はいつだって心の奥底と頭のてっぺん結んだ先に。