先日読んだ本のなかに「だんだんと」についての解説があった。
世の中にある多くの出来事、人間は「だんだんと」できるようになっていく、と書かれていた。
この「だんだんと」わたしは、ちょっとずつ、というニュアンスで覚え使っていた。
でも、そうではないようで、面白かった。
「だんだんと」は漢字で書くと「段々と」となる。
そう、「だんだんと」は「段々と」、つまり階段を一段一段あがっていくようにできていくよということ。
ちょっとずつ何かができるようになるのではなく、閾値(いきち)に達するまで経験がたまると、その値を境にぴょーん、ぴょーんと、できるようになっていく。
閾値という言葉がわかりづらかったら、沸点のようなもの、と思ってもらえたらいい。
100度にならないと水は沸騰しない。
80度でも、90度でも、水はお湯へと変化しているけれど、「沸騰」ということを達成するためには100度まであがる必要がある。
もっとこんがらがったかな。
とにかく、「だんだんと」が気に入った。
気持ちがいい表現だなぁと思う、「段々と」。
自分の背よりも大きな階段をよじよじ登る、知り合いの2歳の子ども達が思い浮かんだ。よじよじ、上手に両手と両足をつかって登る。
一段登るごとに、振り返って喜びを伝えてくるので、こちらもなんとなく、一段一段合わせて大事に登ってしまう。
目に見えないことの多くも、自分が今やりかけていることの多くも、そういうことなんじゃないかと思ってる。
よじよじと、自分の背よりも大きな階段を登っていく。
気づくと一段一段登り終え、上の方から下を眺められる瞬間。
そのときはじめてわかることがきっといっぱいある。
そのときまで、よじよじと頑張る。
取り組んでいるときは、終わりなんて見えなくても、この先があるかも信じられなくても。
こんなんでいいのかと自問自答しながらも。
それでもやっぱり、目の前にある階段は登りたくなってしまう、つい、登ってしまう。
できるかわからないこと、できるかもしれないけどこわいこと。
そういういろいろなものに囲まれて明日からも生きていく。
よじよじと登りながら。
「ちょっとずつ」とは違う「だんだんと」
登り終えるまではできるようになった気も進んでいる気もしない「だんだんと」
でも、登り終えると一気にできることが増えてる「だんだんと」
でもそれに浸る間もなく次の階段に挑戦してしまっている「だんだんと」
だんだんと、生きてみる。
今できないことも、これからできるようになる。
閾値に達するまでがんばるのもありかもしれない。閾値に達するまではどうせ外側に変化は現れないのだからとちょっと力を抜くのもありかもしれないね。
のんびりね。
たぶんだけどこの本だった、今手元になくて参照ができないけど、、、。
とりあえず、ホッとするのでおすすめしたい。