大学の図書館は、作業は進むけど、なんだか酸素が薄い気がします。
喋ってはいけない!の雰囲気がそうさせるのか、足音ひとつも響くから気をつかうし。
まあ、そんなのはなんでもいいんだけど、大学に入ってから出会った本のなかで最も私の人生に影響があったな、という本に、今日久しぶりに再会しました。
政治学の本棚をとたとたと廻りつつ、論文につかうお目当ての本を見落とさないために指で本の背を一つ一つ確認していたら、ぱっとそこに赤い背表紙。
そう、この本です。

- 作者: アイリス・マリオン・ヤング,岡野八代,池田直子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/06/26
- メディア: 単行本
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アイリス⚫マリオン⚫ヤング、もう亡くなっていますが、そのひとが書いた本。
大学三年のときにゼミで輪読したのが、この本を知ったきっかけです。
今まで読んだどの本よりもわかりやすく、伝わってくるメッセージは簡潔なものでした。
あなたは、あなたが積極的に関与した、消極的にそれを黙認した、その状態の程度にかかわらず、常に社会における現状の責任者の一人である。
つまり、今、社会において起きていることはどれも、何一つ、あなたと私と無関係なものはない、ということ。
この本に出会って、「正義への責任」を知ってから、それを能動的に引き受ける決心をしたことをよくおぼえています。
いつも満足いくまで調べきれるわけじゃないけど。
遠くの話も近くの話も、全然関係なさそうに見えるあのひとの苦労も、実はぜーんぶつながってる、自分と。
ものを買うとき、食べるとき。
当たり前に権利を認められたとき、脅かされたとき。
常にこの「正義への責任」に立ち戻ります。
だからなんだ、という話ではなく、この概念が好きだな、の気持ちで。

- 出版社/メーカー: 編集工房 東洋企画
- 発売日: 2016/07/16
- メディア: ムック
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昨年取材してくださったモモトの記者の方が「抽象的な政治の世界と、身体的なラートの世界。その二つを軽やかに行き来できるのが、春奈さんの魅力だ。」と書いてくださって。
あれも嬉しかったなぁ。
うちは一家でモモトのファンです。
うふふ!
読んでくださってありがとう~~~!