おそばれながら「君の名は。」を見てきました。
でね、映画の内容もすごく良くて、いろんなこと感じて、考えて、いっぱい泣いたんだけど、私はこの映画をみながら、三年前にみたある夢のことを思い出していました。
三年前、ひとんちのベッドで見た夢。
すごく大切なひとの家で勝手に眠って見た夢。
なんだかひどくくたびれて学校も部活も休んで見た夢。
とても怖い夢でした。
夢のなかに入った瞬間に、その世界にあるひとがいないのがわかるんです。しかも、一人じゃないの。私が今大切で、心から救われたと感じているひとたちがいない。
そして夢のなか、その世界で生活し、さみしくて空っぽなんだけれど、でも、その生活に慣れた頃、ひとつのドアを見つけ、なんとなく何かを感じながらそのドアをあけると……。
また別の世界。
そして、そこにも、そのひとたちはいない。いないことだけがわかる。どこを探しても、いない。でも、そこにいるひとたちは確かにふつうのひとで、みんな話している言葉もなんとなく違うんだけど意味はわかる。文字もよくわかんないけどなぜか読める。
そこでの生活に慣れたころ、黒い電話が鳴るの。その電話を取ったらまた何かが変わる予感がして、でも、またがっかりするのが怖くて、でも、やっぱりその大切なひとたちがいない世界が耐えられなくて、その電話を取って。
そして、また別の世界。
何か手がかりはないか一生懸命探すんだけど、何もない。今度は少し外国のような街並み。出会う人出会う人みんな優しいし愛をくれる。でも、違う。どこにもいない、私のことを本当に理解して、そばにいてくれて、愛してくれたひとたちがいない。どこにもいない。
悲しくて、こわくて、つらくて、もうあきらめよう、何回もそう思って、でも、何度も何度もドアに、そういうきっかけに手を伸ばしてしまう。
で、結局、会えないまま私の夢は終わりました。
ああもうこんなに辛いまま、空っぽのまま年を重ねるんだなって。もうそれを受け入れよう。あのひとたちを私は本当に大切に感じていたんだな。また会えたらもうなにも望まないな。
そう思ったら覚めたんです。
その夢から目覚めたときに、まだ目覚めたかわからなくて、その感覚が新しいドアを開けたばかりの頃の感触とひどく似ていて、本当に怖かった。
夕方が終わりかけて、暗くなった部屋のなか、一人でベッドの上に座って、ほろほろ泣きました。どっちだろう、と思って。
でもね、その少しあとに、文字や、言葉がいつも通りのものだったことに気づいて、携帯から東京にいる大切なひとに連絡。無事に帰ってきて、怖い夢を見た話は伏せて普通に世間話。そして、またしばらくして帰ってきてくれたんですよね。その部屋の持ち主、つまり本当にずっと会いたくて会いたくてたまらなかったひと。
夢はとても長くて、なんだか私は今でも、あの夢を見たことを鮮明に思い出せます。一生が長く感じます。あれは夢だったのか、夢ではなかったのか、そんなことはあまり大切ではなく、ただただこの夢の感覚が鮮明であったこと、それだけが私にとっては重要です。
たくさんのひとが読んでくれているこのブログに書くのはなんだか気が引けますが、この夢を見ている間ずっと会いたかったのは二人でした。二人。
大学生になって初めての夏から一緒にいる体操部の先輩と、中3で家出をしたときに拾ってくれた学園の上級生。
私はこの二人のことを本当に好きで、大好きで、本当に大切に思っています。あの二人がいない世界は、まるで色がついていないようだった。
今日ね、「君の名は。」が見たいといって、いいよと言って部活後に連れて行ってくれたひとが、その体操部の先輩。おとといまで東京でずっと泊めてくれて面倒をみてくれたひとがその上級生。
映画を見ながら、時間が交錯し、会えそうで会えない主人公の二人を見ながら、同じ世界に存在しているようで存在できない主人公の二人を見ながら、私の大切な二人がこの同じ世界に同じタイミングで生きてくれている奇跡を感じて、たくさん泣きました。
はたから見れば、きっと映画に感動して泣いていたように見えたと思います。
もし、もしも縁が切れてしまっても構わない。
それは、きっとそうなるべくしてなることだから。
それでも、生きていてほしい。生活していてほしい。
この世界にいてくれればそれでいい。
元気に誰かと生きているならそれでいい。
私はもう十分な愛を、十分すぎるくらいの愛をもうもらってるから、もし私の番が終わっているなら、それでいい。
でも、わがままだとわかっているけれど、同じ世界で生きていたい。そんな気持ちです。
あの夢を見てから、感情を押し殺すことをやめました。
いつ会えなくなるかもしれない、見えなくなるかもしれない。
なら、伝えられるだけのことを伝えないといけない。
だから、いつも好きを表しているし、大事だということも十二分に伝わるようにふるまっています。
今日、映画を見ながら、ああこの夢のこと、誰かに話したい、そう思って書いた話でした。
この世界が大好きです。