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安らぎの一歩外へ

台風のまちのなかバスをぴょんと飛び降りた数秒後、降り出す雨と吹き荒れる風
髪からポタポタ垂れるしずくが面白くって、横断歩道を小走りで渡りながら対岸のコンビニにたどり着く
店内は冷房でキンキンに冷えていて、濡れてしまったワンピースはペトペトと太ももに張り付いて
でもなんだか心は愉快なキブンなのでその不調和具合がおかしくて、トイレのなかで身体と髪を拭いた

ひとに会いに行く、約束なしで会いに行く
相手はまだその場にいるだろうか、もう帰ってしまったあとだろうか

運良く誰かとばったり出会う
なぜ、この瞬間にこの場所にいたの?
頭の中は質問でいっぱいになって、そのひとのことをもっと好きになる

約束をして、そのひとを待つ
今どのあたりかしらと想像しながら、道をぼーっと眺めたりする
今日これからする会話に思いを馳せ、身体の中身はもう相手のところにいたりする

人間が好きだ
雨が降るこの土地が好きだ
大きな風がひとや木々を弄んでいるこの地域が好きだ
台風をイベントのように楽しむこの小さく大きな島が好きだ
海を渡った先で、本当の事情も知らないで深刻ぶるひとのいるもっと大きな島も好きだ

島の乗っている海も、その海の下にあるマグマも、その中心にある空間も
なんなら、この星が浮かんでいる宇宙も好きだし、その宇宙を内包している大きなそれも大好きだ

この好きは、シンプルではない

嫌いも内包しているし、うざいも内包している、不思議な好きだ

大好きのなかにはもれなく大嫌いが含まれているこの感覚を誰かにシェアしたいけれど、まだ上手に言えない

そんな意味のない考え事をしていると、愉快なキブンは増し増しになって
どこまでいこう、どこまでいけるだろうか、どこまでだっていけるのだと、身体も心も大喜び

今日も誰かと日常をシェアする
この先に何が待ち受けていても、いい

遠く草木の揺れる小さな小さな庭の横、わたしのおじいちゃんとおばあちゃんは美味しそうに南国のマンゴーを頬張ったことだろう

そういうことの積み重ねで、日々が豊かであれば、そしてその豊かさの波の中心にじぶんがまっすぐと立っていられるなら

これ以上何を望もうか

雨に形があると知った初めての台風だった
まるでベールのように、大きな大きなカーテンのように揺れながら地面を濡らし、ひとを追い立てていく

見る視点を変えるだけで、これだけ見えるものが変わる
それは、お仕事でも同じことだし、政治でも同じことだし、きっと全部にいえること

視点を変える、そして、安らぎの一歩外へ出る

そこで感じられることは、きっと、ゆるやかに日常を変えていく

そういう流れに身を思いっきり委ね、愉快に生きていこうと、不真面目に、軽率に生きていこうとしっかり決意する月曜日であった

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